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2008年度長野高専_藤澤 潔さん
長野高専OBの藤澤潔さんは、長野高専で学生生活を送るにあたり、学業と車いすバスケットボールを両立させていく事を学び、様々な気づきをされ、現在の支えとなっているそうです。高専での頑張りが、東京2020パラリンピックに車いすバスケットボール男子日本代表の一員として出場し、銀メダリストとなりました。現在は、株式会社コロプラでご活躍されるとともに、今春より、長野高専の客員准教授としてもご活躍されています。(文責:連合会事務局)
私が長野高専を初めて意識したのは進路相談の時期でした。
車いすで日常生活を送る私にとって進学先の設備というものは死活問題。入学されても設備を整えられない、そう回答された高校もありました。この時期の記憶としては、世の中にとって自分は当たり前ではないのかもしれないという強烈な焦りと、長野高専の体験入学に参加しバリアフリーな設備に安堵したことをよく覚えております。学生生活のなかで設備的な不安がなく、将来の就職に有利な専門的な知識を学べる長野高専という存在。自分にはこれしかない、ここしかない。その一心でした。長野高専での生活はとても豊かなものでした。
様々な知識に精通している友人たちや海外からの留学生たち。そして個性豊かな教官の皆様。その中で私は学業と車いすバスケットボールを両立させていく事を学びました。中学で車いすバスケを始めU25世界選手権(2005年イギリス)で銀メダルを獲得し、次はパラリンピック出場!と大変意気込んでいた時期でもありましたから、講義と講義の間に時間が出来れば体育館へ向かい、授業が終わればすぐにまた体育館へ練習にいく生活を送っておりました。
学年が上がるにつれ講義や試験のレベルは高くなり、「バスケだけやりたい」では甘いことを学び、「エネルギーを注ぐ割合」というものを身に付けることができたと感じています。今自分がやるべきことはなにか?長野高専で自分自身と向き合い自問自答を繰り返した時間は、その後の様々な困難を乗り越える大きな支えとなりました。幸いにも昨年、東京2020パラリンピックに車いすバスケットボール男子日本代表の一員として出場し、銀メダル獲得に貢献することが出来ました。沢山の応援をしてくださった皆様に、この場をお借りし心よりお礼申し上げます。
またこの春より、長野高専客員准教授に就任いたしました。
恩師の皆様とまたご一緒出来ること、母校へ恩返しが出来る機会を頂けたことに感謝申し上げます。長野高専は「優れた技術者は、優れた人間でなければならない」という教育理念を掲げております。豊かな創造性・人間性と開かれた心を養う学び舎で、学生の皆さん達と交流を深め、藤澤らしい新たな学びを見つけていきたいと考えております。
長野高専でお会いしましょう!