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2008年度国際高専(旧金沢高専)_岩本 拓也さん
国際高専OBの岩本拓也さんは、高専生時代の海外での経験と研究活動がその後大きな影響があったとのことです。2回の留学により、実践的な英語を身につけるベースを作ることができ、英語と技術を同時に学ぶことで、「英語で技術を学ぶ癖」を得ることができたそうです。自分の目指す姿を見つけ、チャレンジする自分を作り出すことが重要とのエールをいただきました。現在は、株式会社サイバーエージェントでご活躍されています。(文責:連合会事務局)
高専は「実践的・創造的技術者を養成する教育機関」です。またそれと同時に研究機関としての性質も有すると感じています。10代で5年間技術を学べる機会は貴重であり、卒業生の中にも高専の経験が人生に大きな影響があった人も多いと思います。
私は株式会社サイバーエージェントというweb関連のサービスを運営する企業の研究者です。そして新しい情報伝達メディアを研究するために大阪大学の招聘(しょうへい)研究員としてHuman Agent Interactionという領域の研究に従事しています。主に仕事では、プログラミング、学術知識、英語を用いています。これらの基礎は高専生活の5年間で身につけることができました。
高専在学時に私に大きな影響を与えたのは、海外での経験(アメリカ海外英語研修参加、ニュージーランド オタゴポリテクニク留学)と研究活動です。
私が在籍していた国際高専(旧 金沢高専)は2年次に1ヶ月、3年次にニュージランドに1年間 留学することが可能でした。その両方に参加させてもらい、実践的な英語を身につけるベースを作ることができました。高専生の早い段階で英語と技術を同時に学ぶことで、「英語で技術を学ぶ癖」を得られました
多くの高専生は5年次に研究室に所属し、研究に従事するかと思います。ここで私は幸運なことに現在も師と仰ぐ先生と出会い、研究の基礎を作ってもらいました。研究は過去の文献調査から行います。その時も英語は当然のように必要になり、同時翻訳ツールが使えなかった当時は辞書を片手に必死に読んでいました。これは英語に自信があったため、「ここで挫折したくない」という気持ちがあったからだと思っています。
そして学会発表やコンテストの参加、特許出願など1年間でとても貴重な経験をすることができました。そして周りが有名大学生ばかりの国際学生対抗バーチャルリアリティコンテストでは、各務原市長賞を受賞したことが自信となり、高専卒業後も大学、大学院へと進学し研究を続けるきっかけになりました。
私は決して優等生ではありませんでした。プログラミングの授業にはついていけず何度も挫折し、テストでは平均点に届かないこともありました。しかし目標が見つかったことで、努力が苦にならなくなりました。
当時の目標はコンテストや学会などの外の世界を見られたことが大きな要因だったと思います。もしあなたが現在高専に在学しているなら、ぜひ掲示板に貼られているポスターを眺めたり、先生に「来年出場できそうなコンペや大会はない?」と相談すると夢中になれることが見つかるかもしれません。コンペや大会で負けることは失敗ではありません。そのイベントで成果を出すことではなく、チャレンジする自分を作り出すことが重要だと思います。今から半年後にある少しでも興味のあるイベントにでもエントリーするのもいいと思います。
残りの高専生活を楽しんでください。