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2010年沖縄高専_阿嘉倫大さん
沖縄高専OBの阿嘉倫大さんは、開校間もない学校で、設備が整っていない中ロボコンに参加して、のめり込んでいったそうです。歴史のほぼない学校で自分たちで考え行動しなければならなかったことが、逆に自由な振る舞いができ現在の活動に繋がっていらっしゃいます。ともすれば、今でもロボコンをやっている気になることがあるとか。高専というコミュニティには絆があり、特別な場所とのメッセージをいただきました。
現在は、株式会社イーダブリューデザイン スケルトニクス事業部でご活躍されています。(文責:連合会事務局)
私は今でもロボコンを続けているんじゃないかという気になるときがあります。
私が現役でロボコンの活動を行っていたのは2005年~2008年で引退後からもう10年以上経つわけですが、なんだかんだで、引退後も有志によるものづくりの活動を続け、その延長で会社の設立に関わり、その後もロボコン事務局様と一緒にお仕事をする機会をいただくなど、思い返してみるとなんだか不思議な感じがします。
私が入学した沖縄高専は当時、開校間もない学校で私の代が二期生に当たります。そこでロボコンに参加してのめり込んでいくわけですが、まだ何も整っていなく、先輩も一つ上の先輩しかいない状況でした。歴史がほぼない状態ですので様々なことを自分たちで考えて活動しなくてはなりませんでした、ですが、それは同時に非常に自由に振る舞うことができるということでもあり、思い返してみると本当に好き勝手やっていたなと思うと同時に、そんな環境を多くの方に支えていただけたことは恵まれていたことであったと感じています。
この「卒業生のメッセージ」を読んでいる方は進学を控えた中学生や現高専生もしくはその関係者の方々ではないかと思います。ここでは、私が高専という環境に感じたことについて述べます、また、さらにそれを経て、特に中学生や現高専生に大切にしてほしいことを述べていきます。
まず、高専という環境は非常に特殊な環境であるということです。このことは在学中の学生の方や卒業生の方などは肌身をもって感じていることかと思います。5年間という長い教育期間で構築される人間関係や、極めて実践的な教育課程、ロボコンやプロコンなどといった課外の活動、また、私生活においても寮に入るケースも多いかと思います。もしあなたが中学生であり、ものづくりや工学的なことに強い渇望があるのであれば、おそらく高専という環境において、極めて濃厚な日々を過ごすことができるでしょう。私自身が感じた高専生活とはそのようなものでした。また卒業後も高専というコミュニティには絆の存在を感じます。地域や世代をこえても互いに高専出身であることがわかるとすぐに打ち解けることができると感じています。
私は高専という環境が誰にとっても良い環境であるというふうに主張するつもりはありません、高専への進学、もしくは高専での教育課程が良いものであるかどうかは当人が決めることであると考えているからです。私は、高専に入学するということ、入学したということが「どんな意味を持つのか」ではなく、入学することに「どんな意味をもたせるのか」について自覚することが大切だと思っています。そのためには未来のことについて考えなくてはいけません。中学生ならば将来どうなりたくて、何がしたいがために高専という進路を選ぶのか、もしくは選ばないのか、在校生の方も自分の将来何がしたいのか、そして、そのために今何ができるのか、ということを大切にしいてほしいと思っています。
余談ではありますが、この機会に高専連合様の組織図を読ませていただきました。そこで、私はロボコン事務局の組織図的位置付を初めて知りました!当時生意気にも私たちが事務局、事務局、って言っていたあのロボコン事務局はこんなところにあったのか!となんだか心動かされました。また、同時に多くの関係者の方々に支えられているというのも改めて実感させられる機会となりました。