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2012年鈴鹿高専_衛藤_昂さん
鈴鹿高専OBの衛藤昂さんは、リオ・オリンピックをはじめ、世界陸上選手権3回、アジア大会2回、アジア選手権3回の出場を果たし、国体では5回優勝、日本選手権では4回優勝するという、素晴らしい戦績を持つ国内屈指の陸上選手になりました!!
2006年度材料工学科に入学、高専での5年間の継続と文武両道が衛藤さんの礎となり、現在もAGF鈴鹿株式会社でご活躍されています。 (文責:連合会事務局)
陸上競技 走り高跳びの選手として、高専5年時に世界ジュニア(2010年カナダ)、卒業後にオリンピック(2016年リオ)、世界陸上(2015年北京、2017年ロンドン、2019年ドーハ)、アジア大会(2014年仁川、2018年ジャカルタ)に日本代表として出場し、現在も現役で活動しています。
高専出身者として初の夏季オリンピック出場者となりましたが、私自身高専であることに引けをとると思うことは一度もありませんでした。高専の特徴である"5年間の継続"と"文武両道"の経験があったからこそオリンピック出場が果たせたと思っています。高専での部活動を通じた経験や考え方がベースとなり、その継続が今に繋がっていると強く思います。
環境が変わらず陸上競技を"5年間継続"できたことはとても大きなことでした。通常の高校3年から大学1年への環境の変化がなく、高校3年間で結果を出さなければいけないというプレッシャーがありませんでした。私自身高専4年生に記録を大きく伸ばせたことはこのストレスがなかったからだと思います。また、単純に高校3年間プラス2年のチャンスが与えられています。私も人生で1番身長が伸びたのが高専1年のときでしたので、5年間のびのびと競技ができ、記録を伸ばし続けることができました。
5年間継続して部活を行うということは、5学年が一同に練習しているということでもあります。入部当初は20歳の先輩がいることに驚きを受けるとともに、先輩に恐いイメージを抱くこともありましたが、競技力の高い先輩・勉強が優秀な先輩から学ぶことが多く、5年先の目標がイメージしやすいことも良い経験でした。
もう1つの"文武両道"ですが、高専の定期試験では準備を怠れば欠点を取ります。私も欠点をとり、練習時間に補講や再試験を受け、悶々とした思い出があります。高専は授業時間も長く、部活だけに時間を割けないのも事実です。限られた時間の中で、自分で計画を立て、時間と熱量を注いでいくことは大変ではありましたが、現在社会人アスリートとして仕事と競技を両立することができているのも、この頃に苦労した甲斐があったからだと思います。
陸上競技部の中にも練習をしながら受験勉強を行い旧帝大に合格していく、また一流企業に就職していく先輩や同級生がたくさんいました。競技以外の部分でも競い合う・高めあう仲間が近くにいたことが、現状に満足せず1cmでも高く、1つでも上の大会に挑戦し続ける原動力になりました。
スポーツ界は希少ではありますが、世界で活躍する高専出身者はたくさんいます。私もその一員としてこれからも更に活躍していけるよう頑張っていきたいと思います。