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2012年北九州高専_K.H.さん
北九州高専OBのK.H.さんは、高専時代はロボット作りにあけくれていたようです。社会に出られてからは、製品の信頼性、責任を感じられましたが、高専で学んだことは今も活かされているとのこと。卒業されてからも、趣味でもモノづくりをされていて、外のつながりを作るのはとても大事と感じているそうです。コロナ禍で思うように学校生活が送れない日々だからこそ、何かを始めてみてはとのメッセージをいただきました。現在は、株式会社安川電機でご活躍されています。(文責:連合会事務局)
初めまして。もしかしたらお久しぶりの方もおられるかもしれません。
自己紹介をさせていただくと、私は北九州高専を2012年度に卒業し、大学、大学院を経てFA機器メーカーの安川電機に勤めています。
私の高専時代は、使いこみすぎて赤というよりピンク色になったつなぎを身にまとい、工場と体育館を何往復もし、アルミ角パイプが穴だらけになるくらい加工をし、床が擦れて穴があくまでロボットを動かし続けた5年間でしたが、高専ロボコンではほどほどの結果でしたし、ロボコンの話題を上げている方々も多いため私は別の話をしましょう。
さて、今私は仕事の合間にこの文章を書いていますが、数分前まで弊社製品であるインバータの自動組立装置のプログラムとにらめっこしていました。現在、生産技術部で働く私は、日々会社の製品がどうすればもっと効率よく製造できるかに頭を悩ませています。
学生の時のものづくりとは違い、製品のものづくりでは、求められる信頼性とその責任は桁違いです。しかしレギュレーションを実現する考え方や忍耐力といったものは学生時代と地続きになっており、今まで高専でやってきてよかったなと感じることは多いです。特に高専は実際に作り実際に動かす授業が多くあったため、製造業でよく言われる5ゲン主義に通ずる教育がなされていたと今でも思います。
また高専という場所は、中学を卒業した時点で良質な工学の情報に触れることができるというところにもメリットがあります。私たちは世界中にお客様を持ち自動化を推進する企業ですので、最新トレンドにはアンテナを張らないといけません。そのような情報収集能力が自然に身についたのも高専だからこそなのではないかと思っています。
皆さん、高専生って同年代の学生の中でどのくらいの割合を占めるかご存じでしょうか。実は、同じ学年の大学生、短大生、高専生を比較すると、令和2年度では1.5%程度しかいません。専門大生を含めるともっと割合としては少なくなります。しかし安心してください。一般的な製造業の会社に入社した場合、体感でいうと4割(※個人差はあります)くらいの人は高専関係者です。現に入社してから同部署に配属された同期の5分の3人は高専生、最初に自分たちの世話をしてくれた方も、大きなプロジェクトだったY'sFactory(https://www.yaskawa.co.jp/ysfactory)のライン立上のリーダーも、現上司も皆高専生でした。エンジニアリング寄りで研究職ではないという部署柄、院卒の社員よりも高専卒の社員が多いということもあるのかもしれませんが、"工場を自動化するための製品を開発している会社の工場"を自動化するために高専生たちは第一線で活躍しています。
実は私は現在進行形で趣味でもモノづくりをしています。北九州高専のロボコンOB団体の"Next+α"、ロボマスターの出場、優勝を目指す、"FUKUOKA NIWAKA"、一般社団法人次世代ロボットエンジニア支援機構、通称"scramble"。もちろんこれらの団体のメンバーにも高専生が多く在籍しています。日本中各地にいるメンバーから様々な技術の話や業界の話を聞くことは、新しい世界を知ることができるので、卒業し、社会人になっても外のつながりを作るのはとても大事です。高専生というより、工学系の特徴かもしれませんが、こういうつながりを作る機会が多いと思います。
世の中はコロナ禍で、思うように学校生活が送れない日々だとは思います。そんな今こそ何かを始めてみてはどうでしょうか?自分の興味の赴くままに、何かを作ったりプログラミングしてみると、新しい自分の可能性に目覚め、エンジニアとしての自信になっていくと思います。そして、高専の先生方はそれをバックアップしていってほしいと思います。高専の先生はそんな学生の試みを評価してくれる先生ばかりだと思っています。高専のおいしいところは全部味わっておきましょう。
長々と書きましたが、本当に言いたいのはこれだけです。
生まれ変わっても高専にまた入りたいと思えるような高専生活を送ってください。
私は、胸を張って言えます。
皆さんが卒業後、活躍されることを祈っています。