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2013年度 函館高専_横山 宣幸さん
函館高専OBの横山宣幸さんは、もともと英語や歴史が好きな文系学生とのことで、高専学生時代に、新たな環境への踏み出しの大切さを知る機会となったのが、英語キャンプ及び英語プレコンへの参加とのことです。英語キャンプでは、何でも前向きに挑戦することの楽しさを覚え、英語プレコンでは2度全国大会に出場し(2度目で全国優勝)、優秀な学生との出会いや進路についても視座の高い話を聞けたことが大変刺激的だったそうで、この様々な学生との交流を深めたいという思いがその後の大学への編入学のきっかけにもなったそうです。このような経験をされた横山さんは、文系好きな人でも高専に興味を持っている方は、将来、想定していない新たな景色が広がるかもしれないことから迷わず高専に進んでもよいのではとのお話をいただきました。(文責:連合会事務局) 「高専」という響きに、皆さんは理系の学問を学ぶだけの環境としての強い印象をお持ちではないでしょうか?また、入学後数年経過してから、自分はどちらかというと文系だったかもしれない、と認識され、苦しんでいる方はいないでしょうか。
私自身、もともと英語や歴史が好きな文系の学生でしたが、ひょんなことから高専生となり、その後、豊橋技術科学大学大学院修了、一般メーカーの研究開発職に就職するに至る、特殊な学生時代を送りました。
そんなド文系学生の私がこのような経歴を経る、きっかけとなったのは、「新たな環境へ一歩踏み入れてみること」の大切さへの気づきを得たためであり、その機会となった高専機構主催の英語キャンプ、および全国高等専門学校英語プレゼンテーションコンテスト(プレコン)への参加エピソードを共有できればと存じます。
初めの高専機構主催の英語キャンプへの参加です。
このキャンプに参加するまで、イギリス人やアメリカ人のように、発音や文法が綺麗で正しい英語で無いといけない、そうでないと恥ずかしい。というような戒律を持ち、自身を苦しめていました。しかし、講師の方はシンガポール・中華系なまりの英語を話され、それを正として教えてくださいました。他の現地の他のネイディブスピーカーも、英国や米国では強い訛りと受け取られる発音で話し、めちゃくちゃな文法で話していることに衝撃を受けたことを記憶しています。さらに、私自身が英語で会話をした際、違和感なく、会話をして受け入れてもらえたことに対し、大変安堵し、うれしさを感じたことを覚えています。
この経験から、自分の可能性をどれだけ縛り付け、機会を逃していたのだろうかと後悔し、縁があるものには可能な限り、前向きに挑戦することの楽しさを覚え、今でもその気持ちを忘れることなく、行動をしていくことを大切にしています。
もう一点は、全国高等専門学校英語プレゼンテーションコンテスト(プレコン)への参加です。
英語キャンプへの参加を機に、英語担当の奥崎先生よりお誘いいただき、合計2度の全国大会へ参加しました。結果としては、1度目は惨敗、2度目は優勝でありましたが、記憶として強く残っているのは1度目の参加の記憶です。
英語キャンプを経て、何とか海外旅行の際には英語は通じるし、まあコンテストも何かいい機会になればいいと開き直っていた私は、プレコンへ参加をし、度肝を抜かれました。
プレコン参加者は、大変英語偏差値の高い学生が多く、帰国子女且つネイディブな学生が多数参加しており、如何に自身が井の中の蛙であったのか思い知ったのです。また、英語だけでなく、今後の進路などについても、視座の高い話を聞くことができ、大変刺激的な2日間であったことを記憶しています(自分がこの場にいていいのだろうかとすら思いましたが)。
地元にいるだけでは、ここまでの力量差の有る学生と出会える機会はなかったことから、プレコンへの参加により、将来このような優秀な学生たちと関わり、自己を高めていきたいと考えるきっかけになり、次回参加機会をいただけるなら、このレベルに恥じないよう準備をして臨みたいと決心をしたことを覚えています。その後、様々なバックグラウンドの学生との交流を深めたいとの思いから、専攻科でなく、豊橋技術科学大学へ進学を決心したきっかけともなりました。一つの決断や行動が、この先10年近くの自身の人生の大きな指針となったのです。
もし、この文章を読んでくださっている貴方が、現役高専生で専門科目に苦しんでいる、又は本当は文系が好きだけれども高専について何かしらの興味を持ち、高専での学生生活を候補とされているのなら、迷わず、その道を進んでみてもいいかもしれません。
きっと一歩進んだ、その先にご自身が想定してない景色が広がっており、数年後振り返ると、当時は想像できない地点にたどり着いていることでしょう。