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2013年度奈良高専_奥村 直大さん
奈良高専OBの奥村直大さんは、高専時代は何よりもラグビーに熱中していたそうです。「時間を忘れられるほど情熱を注げる対象」と巡り会えたことが人生の大きなターニングポイントとのこと。現在は、英スポーツマーケティング代理店でご活躍されています。そんな奥村さんから、「世界を広げようとしよう」「どういう人生にしたいのか考えよう」「自分を信じて行動しよう」とご経験を活かしたメッセージをいただきました。(文責:連合会事務局)
未来の高専生、現役の高専生の皆さんへ
まず本題に移る前にお伝えしたいのは、僕は優秀な高専生だったわけでも、卒業してから華やかなキャリアを積んでいる者でもありません。
それでも僕なりの視点から高専生に届けたいメッセージを考えてみました。皆さんの行動を変えるキッカケとなる言葉や考え方を一つでも見つけてもらえると嬉しいです。僕が高専時代に学業よりも何よりも熱中していたものがあります。それが「ラグビー」です。
ラグビー部に所属して5年間楕円球を夢中になって追いかけました。5年時には主将も務めさせていただき、全国高専大会優勝という目標に仲間と共に向き合った充実した時間でした。
卒業してから約10年経ちますが、今でも部活に顔を出すことはありますし、後輩の活躍に刺激を貰っています。加えて、その好きになったラグビーが趣味の領域を越え、ニュージーランドへのラグビー留学やイギリスへの大学院進学、そしてイギリスでの仕事にも繋がって今に至ります。具体的には、ラグビーワールドカップを主催する国際ラグビー連盟のマーケティング関連業務を担当しており、ラグビーの日本での普及に微力ながら携わっています。
当時は海外留学やイギリスでラグビー関連の仕事を将来しているとは微塵も思っていませんでしたが、今振り返ると高専在学中に「時間を忘れられるほど情熱を注げる対象」と巡り会えたことは僕の人生の大きなターニングポイントでした。皆さんにとっての「時間を忘れられるほど情熱を注げる対象」とは何でしょうか?定期的に時間をとって自身と対話する機会を作ることをおすすめします。
後半は、アラサー(※心は二十歳のまま)の私が思う高専生の時に知っておきたかったことをいくつかお伝えしたいと思います。
■世界を広げようとしよう
皆さんが下せるあらゆる人生の選択は、皆さんが今まで経験したことのあること、または知っていることの範囲内でしか出来ません。
そのため、常に好奇心を絶やすことなく、一歩踏み出す勇気を持って、様々な物事に自分の意志でトライして、選択できる範囲を広げてほしいです。高専の勉学、課外活動、自身の趣味などあらゆる場面で活かせる心構えかと思います。
まだまだ僕自身も知らないことばかりですが、複数の国での勉学、仕事、ラグビーを通じて予期していなかった貴重な出会いや経験をすることが出来たからこそ、この考え方の重要性を実感しています。■どういう人生にしたいのか考えよう
人生にゲームのようなリセットボタンはなく、目標を立てずに過ごすとあっという間に時間は過ぎていきます。
試験前や夏休み最終日に「もっと計画的に時間を使うべきだった...」と満足した時間の過ごし方が出来ずに後悔したことがあるのは僕だけではないはずです。
人生という長いスパンでも同様で、若い皆さんだからこそ、どういった目標を自分が生きている間に成し遂げたいかを考えてみてほしいです。
今年の目標、高専在学中の目標はすでに持っている人はいるかもしれませんが、この機会に是非人生という期間でも一度考えてみていただきたいです。
もちろん一筋縄にはいかないかもしれません。どこにも答えはないですし、時間が経つに伴い変化もあるかと思います(それが自然かと思います)が、その目標の有無で「時間の過ごし方」が大きく変わると信じています。それが皆さんの勉学や課外活動への向き合い方、さらには進路選択の決定の際の助けにもなるかと思います。■自分を信じて行動しよう
最後のメッセージはシンプルです。
皆さん一人一人は、それぞれの人生においてのリーダーであり、主人公です。
人に意見やアドバイスを求めることは非常に重要ですが、それらを吟味し、行動に移すのはあなたしか出来ないことです。
いくら素晴らしいサポートがあっても、あなたが勇気を出して一歩踏み出さない限りは何も変化は起きません。
行動に移す前に不安になることも普通です。あの判断は失敗だったなと思うことも普通です。疲れた時は元気になるまで一旦休んでよいですし、倒れたら立ち上がれば良いだけです。
「考えるのみでなく、その考えを行動に移せているか」を常に念頭に置きながら、大切な日々を過ごしていっていただけたらと思います。以上が僕から皆さんへのメッセージになります。
皆さんが平和で豊かな人生を歩めることを心より祈念しております。P.S. ラグビー観戦をしたことのない人は是非勇気を出して観に行っていただけたらと思います。自分の世界が広がる素晴らしい出会いがあるかもしれません。