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2014年度仙台高専_糟谷 瑛さん
仙台高専OBの糟谷 瑛さんは、高専生時代にメカトロニクス研究部会に所属、動画研究部の立ち上げ、英語スピーチコンテスト・海外の大学との交流プログラム参加など、様々な経験をされ、高専の課外活動を通して幅広くチャンスを生かして様々なことにチャレンジされました。その後大学へ進学され、現在は、特許庁で審査官をされています。そんな糟谷さんから、専門基礎科目を大切すること、高専の環境を生かして様々なことに挑戦していくことの大切さのアドバイスをいただきました。(文責:連合会事務局)
私は特許庁で審査官をしている仙台高専のOBです。今回はこの場を借りて、高専生の皆さん、高専への入学を検討している皆さんにお話ししたいと思います。
まず一つ目は高専で学ぶ専門基礎科目を大切にしていただきたいということです。
特許審査官の仕事は、企業や個人から出願された特許出願について、既に同じ技術がないか、既存の技術から容易に思いつくことができるものでないかなどを審査する仕事です。特許権が設定されるとその権利者はその技術を独占できる反面、他の人は権利者の許可を得なければその技術を利用できなくなります。もし既に世の中にある技術に特許権が付与されてしまうと、世の中に悪影響を与えてしまいます。そのため、審査によって適切な特許出願に特許権を付与する必要があります。
審査業務には技術に対する広い知識が必要です。また、特許審査は原則として書面を介して行われます。そのため、図面や文章から発明品を想像する必要があります。
私は高専卒業後に大学に編入しました。大学時代に学んだ知識や経験も仕事に役立っていますが、高専時代に学んだ機械の専門知識が特に生きていると感じます。 5年間かけてしっかりと専門科目の基礎を習得できた点は非常に良かったと思います。高専では製図や工作実習などの科目も充実していたので、図面を見て実際の製品を想像する力も養われたと思います。特許審査においては、どのようにしてその製品が作られたかを考える必要もあるので、高専生の強みが発揮できる職場だと思います。
現役高専生の皆さん、又はこれから高専に入ることを考えている方は、ぜひとも高専で学ぶ専門的な知識を自分のものとして、いろいろな分野で活躍していただきたいと思います。
二つ目は高専という環境を生かして様々なことに挑戦していただきたいということです。
高専時代に課外活動で様々なことを経験させていただきました。
友人達と一緒に映像系の愛好会を立ち上げ、活動したことは強く思い出に残っています。映像コンテストへの応募や学校紹介ビデオの作成をしました。その過程で学生会や委員会とも連携をすることもあり、映像制作以外の経験も得ることができました。
また、高専1年生の際に、マレーシアのマラ工科大学との交流プログラムに参加しました。プログラムでは1週間マレーシアに滞在し、現地の大学でプレゼンをしました。
このように高専では学業以外にもさまざまな経験を得ることができます。5年間という長い期間の間にたくさんのことを経験できたことはとても幸せだったと思います。
私は進学希望でしたが、学内で行われた合同企業説明会にも参加しました。説明会で企業の方のお話を聞くことや、実際に就職活動をしている友人が近くにいるということで自分の将来についても深く考えるきっかけとなりました。
進学という進路をとった場合でも、その後は多くの場合どこかに就職することとなります。早いうちからさまざまな業界を知ると良いと思います。自分の興味とは違うことであってもまずは知ってみることが大切だと思います。例えば、就職希望であっても大学のオープンキャンパスに行ってみるであるとか、公務員志望であっても民間企業の説明会に参加してみるであるとか、自分の選択肢が広がるような行動をすると良いと思います。
高専には課外活動を通して幅広くいろいろなことにチャレンジできる環境がありますので、それをぜひ活用していただければと思います。
皆さんの今後のご活躍を心より期待しています。