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2015年度 岐阜高専_垣本航平さん
岐阜高専OBの垣本航平さんは、学生時代、友人とブリティッシュパブへ飲みに行き、そこで英語の言葉がなかなか出てこないという悔しい経験をされ、「英語を話したい」との思いから英語プレコンにチャレンジし、海外留学の経験を経て2度目の全国大会で見事優勝することができたそうです。垣本さんは、この経験から何かに新しくチャレンジすることは道を広げることができることを学んだそうで、専門分野に関係なく、何か自分の興味のあることに取り組むことが良いとのアドバイスをいただきました。(文責:連合会事務局)
入学以来、なんとなく専門分野を学んできていましたが、特にやりたいこともなく5年間を過ごしていました。5年生の春になんとなく進んでおこうと受験していた専攻科への進学が決まり、残りの本科生活を過ごしていました。
残りの一年間は、在籍していたなかでも特にふらふらしていました。その当時興味があったお笑い芸人になりたいとか思って、オーディションを受けに行ったり、コンテストのようなものに出場してみたり。そんなことを繰り返して、授業にも出席しない日が増えてました。結果的に単位をとれず、留年することになりました。通達された書面には、「原級留置」と書いてあり、「留年って正式には原級留置って言うんだ。」ということくらいしか思わなかったです。それくらい留年したことはどうでもよく、それよりもなんとなく本科を卒業して、専攻科に進むことの方が何か怖くてたまらなかったのを記憶しています。
そんなフワフワしていたなかでも、なにか自分の夢中になれること、チャレンジしたいという思いは沸々とあったような気がします。そのひとつに、「英語を話したい。」という思いがありました。
留年が決まった3月、友人とブリティッシュパブへ飲みに行くことがありました。日本に住む外国人や旅行客が訪れる、日本人より外国人の数の方が多いお店でした。私たちが来店した時間は満席状態で、テーブルをシェアすることをお願いされ、初めて会うマレーシア人とテーブルを一緒にすることになりました。英語話すチャンスだと思い、いろいろ話そうと試みたのですが、言葉が出てこない。特別なことを話すことでもなく、ただの簡単な日常のことすらも人に伝えられないことが悔しくてたまりませんでした。言語が違うだけで、こんなに世界を狭めているのだということを強く実感しました。ぼんやりと持っていた「英語を話したい。」という思いが、より具体的に変わってきたように感じました。
人に何か伝えることの楽しさや知らないことを知るときのワクワクする体験などは、自分が情熱を注げる何かだと実感することができました。やっと何か能動的に自分がチャレンジしたいものが見つかった、今でも鮮明に記憶している出来事です。
ブリティッシュパブでの出来事を当時の英語の先生に伝えると、「英語を話せるようにしてやるから、英語プレコンに出てみろ!」という言葉をかけられました。「英語プレコン」、聞いたこともないコンテストへ半ば強引に参加させられることになりました。ただ、英語話せるようになるならということを信じて、参加することになりました。
プレゼンに必要な資料作成、発音練習などをほぼ毎日英語プレコンのために時間を費やしていました。そして見事地区予選を勝ち進み、全国大会に出場することができました。
全く話せなかった英語、少しずつ受け答えができるようになり、「このまま勉強続けたらもっと話せるようになりそう!」とさらに英語学習へのモチベーションを持つことができました。その1年間をきっかけに、さらに海外留学に興味を持ち、翌年1年間イギリスに留学することになりました。今後自分が進みたい道に深く考える良い期間となりました。帰国後、再度英語プレコンに出場し、全国大会で優勝することができました。
英語プレコンを通して得た体験は、今の自分の糧にもなっています。何か新しくチャレンジすることは道を広げてくれるということを学びました。今の仕事や人生において自分を奮い立たせてくれる大切な出来事になりました。そのような体験をさせていただいた英語の先生に感謝の気持ちでいっぱいです。
専門分野関係なく、何か自分の興味あることに取り組んでみることも良いと思います。