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2016年度鳥羽商船高専_島影 瑞希さん
鳥羽商船高専OGの島影瑞希さんは、高専在学中に同級生に誘われプロコンに参加するようになったとのことです。入学以来、将来の進路に悩むことがあったそうですが、プロコンに参加する中でチームワークの大切さや自身の得意分野に芽生えて行かれたようです。そんな経験が将来の進路に悩んでいる方の参考になればと励ましのメッセージをいただきました。現在は、大手IT企業の営業職でご活躍されています。 (文責:連合会事務局) 高専は学科ごとの専門性に特化したカリキュラムなので、自分で選んで入ったもののしっくりこず、後悔する人も居るかと思います。ですが高専生=必ずしも技術者を目指さなければいけないわけではありません。私も学んだ学科と関連のある企業にいるものの、技術者ではなく営業の仕事をしています。この内容が、今「高専を出てからの将来」について悩んでいる方の参考となれば嬉しいです。
私は入学以来、なんとなく自分はエンジニアに向いていない気がしていました。がり勉してテストでいい点を取ったところで実技は異なり、コーディングや電子工作は難しく、漠然と技術職に進むことが不安でした。
二年生の時、同じ部活の同級生から高専プロコンに誘われました。当時やけに真面目だった私は「コーディングが得意になるかも」と参加したのですが、結果として分かったことは「やっぱり自分に向いていない」ということでした。ただ、もう一つ分かったのは「プロコンといってもコーディングばかりではない」ということです。
私が当時参加したプロコンの「課題部門」ではざっと書いても、企画立案、審査用の企画書作成、設計、開発、審査用のプレゼンとデモ、会場のデモブースの準備などの作業があります。初参加の私は少しの開発と、機能説明およびその資料作成を担当しました。
コーディングへの苦手意識は高まる一方でしたが、どういうものを作るかみんなで考えたり、人に技術や仕組みをわかりやすく説明する工夫はとても楽しく感じました。
以来プロコンには参加を続け、企画や設計、プレゼンなどを中心に担当しました。優秀なチームメイトに度々恵まれてきた私は、さらに大学生も参加する大会や、世界規模の大会など、様々なプログラミング系のコンテストに参加させて頂きました。コーディング技術は相変わらず高専生にしては"ほどほど"です。
その後卒業し、今私はIT企業の営業職についています。IT技術は好きですし勉強も必要ですが、どうすればお客様の役に立つか、どうすれば快く製品を使っていただけるかを考え、伝えることが主な仕事です。
情報科でプロコンという「ど真ん中」の道を進んでも、エンジニアになるとは限りません。実際に企業は、そうやっていろんな役割のひとがいることで成り立っています。今学んでいる専門分野に将来どう関わっていくかは自分次第なのです。
高専での勉強は、性に合わなければ細く狭い道に迷い込んでしまったと不安になる方も少なくないと思います。
今将来のことで悩む現役生の方は、ひとつ何か「チームワーク」が発生するコンテストに挑戦してみてください。役割分担を経験することで、一側面を見て苦手と感じていたことの見方が変わるかもしれません。
幸運なことに高専は、学科の専門分野に限らず海外留学や他学科も参加するコンテストなど様々なことに触れることができる教育機関です。元々何かが得意だから参加する人もいますが、体験を通して自分の得意をさがす機会でもあります。
ぜひ高専に在学しているチャンスをフル活用して、自分のやりたいことを積極的に探してみてください。プロコンを経て営業になるように、時には苦手なことでも近寄ってみるとあなたの予想外の得意分野を見つけられるかもしれません。