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2022年度木更津高専_茂呂征弥さん
木更津高専OBの茂呂さんは、専攻科を終了され、現在、東京科学大学(旧東京工業大学)に在籍しつつフィンランドのオウル大学に客員研究員として留学されています。高専時代の海外経験や3年間の研究活動が現在の自分自身を形成したと話されています。海外は、台湾への交換留学、シンガポールへの海外インターンを経験しグローバルな視点を持つきっかけとなったそうです。また、研究活動では、「水田除草ロボットの自動走行システム開発」に携わり、初めてロボットの自動走行が成功した時の記憶は今でも鮮明とのことです。
現役高専生に対しては、専門分野をどう使っていくかを今から考え、場合によっては、海外留学するのも一つの手段と話されています。そして、「是非とも、高専生活を楽しく悔いのないように歩んで」ほしいとのメッセージをいただきました。
(文責:連合会事務局)
「高専生」って聞くとみなさんどのような印象があるでしょうか。これについて、友人に聞いてみたところ「おかしい人たちの集まり」と言われたことがあります。間違いではないですね笑。私もその中の1人です。しかし、この「おかしい」は、「自身の専門性いわば自分自身の軸」を持っているからこそ生まれる印象だと思っています。高専の思い出は、つらい思い出もありますが、今も高専の友人と話すとき「なんだかんだ高専のこと大好きなんだよな~俺ら」と話しています。
はじめまして。2022年度に木更津高専 機械・電子システム工学専攻を卒業し、現在は東京科学大学に在籍しつつ、フィンランドのオウル大学に客員研究員として留学している茂呂征弥と申します。大学院では、高専時代に学んだ「技術」を実際にどのように社会に適応していくかを様々な視点から思考しプロダクトベースまで考えるエンジニアリングデザインについて学んでいます。
高専へは中学時代にロボコンに参加したことや父親が高専出身で身近に情報があったこともあり「ものづくり」をできたらいいなぁという理由で入学しました。入学後は、長いようで短かった7年間で、勉強・部活動はもちろんのこと、海外経験や3年間の研究活動を同じ環境で落ち着いて活動できるからこその経験をしました。私の中では、この2つの経験が現在の自分自身の軸を形成しているとともに自分が思ったことを形にするための実践力を養うことができたと感じています。
初めに海外経験についてです。私は、台湾(交換留学:1カ月)・シンガポール(海外インターン:1カ月)に行きました。活動内容としては、3Dプリンター製作や画像処理を用いた自動走行システム開発などの機械分野について学びました。技術について学ぶことができたのはもちろんよい経験でしたが、それ以上に海外という異なる文化にて教わる経験をできたことが、日本だけではなくグローバルな視点を持つきっかけの第一歩になったと思います。
次に研究活動についてです。私は「水田除草ロボットの自動走行システム開発」に3年間着手しました。高専で学んだことを実際にロボットが動いて体現してくれる感覚は自分の中での大きなモチベーションであり、1つ1つの作業が楽しかった思い出があります。これは表向きで、最初プログラムデータに触れたときは、難しすぎてかなり苦労したのを覚えています。しかし、3年間という長期的なスパンで活動することができたため、初めの1年目こそ進捗がなかなかでませんでしたが、2年目・3年目と徐々にロボットが思った通りに動くようになって、初めて自動走行が成功したときのことは今でも鮮明に記憶しています。実験では、半日ずっとプールにいてデバックを永遠にやっていたのはいい思い出です。結果として、学会での賞獲得や論文を投稿することができたのは研究をする上でおおきな財産になっています。また、この研究を通じてユーザーである農家の方と多く関わり、その中で「ユーザーの気持ちに共感を持てるエンジニアになりたい」と思い、現在の大学院に進むことを決めました。
これらの経験もあり、現在は、私自身が一番身近に感じる社会課題である「知的障害児・者支援」の社会課題解決を目指す研究に、海外の視点を取り入れつつ、高専で学んだ実践力を基に自信を持って取り組んでいます。
・高専での経験って本当に役に立つの?
・自分の専門分野って活きてくるの?
と思っている現役高専生の方も多いのではないかと思います。役に立つと思いますし、専門分野を持っているのが大きな武器になります。そしてそれを養える環境が「高専」にはあります。「専門分野をどう使っていきたいか」について今から少し考えてみたり、思い切って留学にいってみるのも1つかもしれません(高専在学中に長期留学できたらよかったなと思ってるので笑)。私は、今「トビタテ!留学Japan」で研究留学が実現しています。何か自分の興味・やりたいことを言語化して計画を立てて留学を検討するのもよいと思います!
「高専」という環境で過ごした7年間は、仲間や教職員の方々にも恵まれ、確実に私の人生を豊かにしてくれました!!是非とも、高専生活を楽しく悔いのないように歩んでいただけたら嬉しく思います。頑張ってください!