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2009年度石川高専_加藤 聡一郎さん
石川高専OBの加藤聡一郎さんは、高専時代に行った様々な活動の中でも、英語プレゼンテーションコンテストが自分自身の大きな成長につながったそうです。第三者の視点があって初めて成立するプレゼンテーションやスピーチを、夜遅くまで準備や練習を仲間とともに行い、信頼関係やフィードバックを求め合いながらお互いを高められました。そんな経験が現在にも活かされ、大手IT企業の技術部門でご活躍されています。 (文責:連合会事務局) 高専時代には様々な学びの機会を頂きましたが、その中でも英語プレゼンテーション コンテストは自分自身の成長を感じることができた貴重な体験でした。
高専入学後にアメリカ留学で高専を一年間離れ、帰国後は英語学習の継続のために英語クラブに参加しました。当初は単に語学力の向上のためにと思い活動しておりましたが、2007 年に全国の高専生に向けて英語プレゼンテーション コンテストが初めて開催されることになり、2 人の素晴らしい先輩方と共に参加のチャンスを頂きました。
審査員や来場者に向けてプレゼンテーション内容を分かりやすく英語で伝える、という技術的な観点でも多くの学びがもちろんありましたが、発表当日までの準備期間を通して、フィードバックを分かち合うことの価値についても学びがありました。プレゼンテーションやスピーチは第三者の視点があって初めて成立するものであり、より良いプレゼンテーションを目指すには他者からのフィードバックが不可欠です。夜遅くまで準備や練習に付き合って頂いた教員の皆さんからの助言によってたくさんのことを学ばせて頂いたことは言うまでもありません。それに加え、準備期間を過ごすうちに信頼関係を築くことができた先輩方と互いにフィードバックを求め合い、お互いを高め合ったことを今でも覚えています。
現在、私は IT 企業の技術部門でチームワークが不可欠である業務を行っています。技術者として社会人になり 10 年が経とうとしていますが、今になって改めて感じるのがフィードバックを自ら求めることの大切さです。技術的な知識だけでなく、お客様とのコミュニケーション、エンジニアとしてのリーダーシップの発揮や他者への貢献など、様々な観点で常に成長を求められる環境ですが、成長は一人ではできません。話し相手の勤務年数やポジションに関わらず、自分自身に対する客観的評価やアドバイスといったフィードバックを貪欲に求め、真摯に受け止めることで、自分の成長やモチベーションにつながっていると日々感じています。しかしながら、このようなフィードバックをお互いに共有するためには信頼関係が必要となります。普段から同僚や知人とコミュニケーションに時間を割き、意思疎通を大切にすることで、お互いにより効果的なフィードバックを引き出すことができると感じています。振り返れば、高専時代に学んだことを今でも活かせているのだなと思います。
お互いを認め合い、同じゴールに向かってお互いを高め合うという英語プレゼンテーション コンテストでの体験は、社会人となった今でも私の宝物です。
全国の高専では仲間と切磋琢磨し、学びを分かち合える機会がたくさんあります。パンデミックの影響等で通常の活動が難しい場面も多くあるかとは思いますが、限られた時間の中で成長の機会を多いに活かして頂けることを心より祈っています。