-
HOME > 高専卒業生からのメッセージ > 高専卒業生からのメッセージ > 2012年度奈良高専_柳澤 佑太さん
2012年度奈良高専_柳澤 佑太さん
奈良高専OBの柳澤佑太さんは、電気に興味があり高専に入学し、高専の自由な環境の中で育んだ経験が現在に至っているとのこと。ロボコンでは全国大会にも挑まれました。現在は、大学院在学中に立ち上げたパワーエレクトロニクスを専門とする会社で活躍されています。そんな柳澤さんから「自由な環境の5年間で大切な糧を」とのメッセージをいただきました。
(文責:連合会事務局)
私は奈良高専の本科と専攻科をそれぞれ卒業後、大学院に進学し、大学院在学中に設立した会社で働いている高専OBです。高専で過ごした7年間は自由で、将来の人生を考え手当たり次第にも行動した学生生活であったように思います(5年間は本科、2年間は専攻科です)。高専生は一般的な高校生とは異なり、受験や模試などに追われることも多くなく、自由な時間が比較的多いと思います。もちろん高専のレポートや課題に追われることもありましたが...。
高専へは理科が好きで特に電気に興味があり、電気に携わることができたらいいなぁという漠然とした理由で入学しました。入学後の電気系の授業や実験には興味津々だったことを覚えています。また、ロボコン部に入り、ものづくりの楽しさや泥臭さを経験し、チームメンバとともに地区大会や全国大会に挑みました。また、在学中に約1カ月の海外インターンシップや国際交流などにも参加し、高専でしかできない数多くの経験をしました。
振り返って考えてみると、私は高専に入学してとても良かったと感じています。理由として、やりたいことができる環境が整っており自由な時間が多いこと、授業や研究内容は専門性が高く大学・大学院へ進学しても十分に通用すること、先生方が親身に寄り添っていただき様々な相談に乗っていただけることなど、様々挙げられます。ただし、いずれも受け身ではなく、自ら積極的に行動し経験を積むほうがより将来への糧となるように思います。先に高専は比較的自由であると記しましたが、成果を残し将来に役立てるには、自ら考えて行動する必要があると考えます。何もしなければ、あっという間に数年が経過していまい、周りから取り残されてしまいます。この自由な期間や環境というチャンスをうまく活かせれば、今後の人生においてもとても有用なものとなると思います。私自身、在学中は今後どのような道を進むべきか、何を専攻し学ぶ必要があるのかなどをよく考えていました。中学校の同級生が大学受験などで次の道に進む姿を見て、焦りのようなものを感じていたのかもしれません。
高専では、進級するにつれて専門科目の授業割合が多くなります。一概に電気といっても、雷やパワーエレクトロニクスのような強電、半導体や組み込みシステムなどの弱電など様々な分野があります。なんとなく電気が好きで入学したため、入学後2~3年はどの専門分野を専攻し研究するか悩み続けていましたが、学年が上がるにつれ専門科目の授業や実験など目指す専門分野を判断する機会が数多くあったこともあり、パワーエレクトロニクスという分野を専攻しようと決めました。専攻分野を決めた後は勉強や研究調査に加え、知見を深めるため学会や研究室へ通いました。これらの経験は、大学院在学中や現在でも大いに役立っています。
現在、私は大学院在学中に立ち上げたパワーエレクトロニクスを専門とする会社で働いています。社員は私しかいませんので一人だけの会社ですが、プレハブながらも社屋を建て、オシロスコープやベクトルネットワークアナライザなどの機器を導入し、仕事を進めています。高専などで得た知識や経験、自ら積極的に行動する重要性などが会社経営に大いに役立っていることは述べるまでもありません。
高専は自ら考え行動し、挑戦する人には最高の環境があると思います。是非、高専で自由な時間や環境を最大限活用し、将来への糧となる何かを見つけて、より良い人生を歩んでいただけたら嬉しく思います。